2016年4月16日(土)・17日(日):「シネ砦」創刊記念 上映&トーク@神戸映画資料館

投稿日: カテゴリー: event
 2015年末に、映画批評雑誌「シネ砦」を出版した。

ひとつの映画作品や特定の映画作家に注目し特集を 組むわけでなく、あくまでわたしたちシネ砦集団の興味、「この人のこの映画についての批評が読みたい」という思いだけで作った雑誌なため、一見するとまと まりのないものに見えるかもしれない。しかし、現在に”映画批評”を目指したとき、こうなることは間違いでなかったと確信している。

東京では二月に稲川方人氏、佐々木敦氏、樋口泰人氏等をゲストに、シネ砦集団からは川口力、安井豊作が登壇し、「映画批評と何か、とは何か……」というイベントを開催し、そこでは「映画批評の場所としての雑誌、徒党としての批評と映画作家」について討論が交わされた。

今回、神戸では執筆者である丹生谷貴志氏をお迎えし、安井豊作が、自身の初監督作品『Rocks Off』と共に、また別の角度から「シネ砦」を読み直していけたらと思う。

(編集長 渥美喜子)

 

 

schedule

2016年4月16日(土)・17日(日)

13:00〜:上映+トーク

 
詳しくは

kobeeigasiryokan

 

 

 

トーク

4月16日(土)17:35〜(終了予定18:35) 参加無料(要当日の映画チケット半券)
 

丹生谷貴志 × 安井豊作 × 青山真治

 
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。

 

 

 

上映作品

関西初上映

『Rocks Off』

(2014/92分/ブルーレイ上映)

配給:boid
監督:安井豊作
ピアノ演奏・出演:灰野敬二

2004年4月に取り壊しが決定した法政大学学生会館。もはや廃墟にも似たこの建物でカメラがとらえるのは、関係者のインタビューや抵抗運動ではなく、ゲバ文字やビラが塗り重なったコンクリートの壁、粛々と解体作業を進める重機と作業員、そして暗闇で初のピアノ演奏に臨む灰野敬二である。ほぼそれだけをこつこつと並列させる構成は、74年に学生自主管理を獲得し、数多くの特異なイベントを行ってきた過去の「学館」や、あるいは30年という時間で衰弱したいまの「学館」ではない、この映画固有の「学館」とでもいうべき時空間を実現している。

 

 

『第二砦の人々』の監督である小川紳介は、撮影の現場にほとんど姿を現さなかったという。彼は何をしていたのか。彼は現像されたフィルムを見ることによって、ただ見ることによってのみ、思考していたのではないかというのが私の推測である。したがって、小川プロの映画を見ることは、小川の思考の記録(ドキュメント)を見ることと同義である。記憶をたどってみると、私もまた、解体されんとする学生会館と、そこで畏敬するギタリスト灰野敬二の解体せんばかりのピアノ演奏とを被写体とすることに決めただけで、撮影中はほとんど何もしていない。小川の緻密かつ広大な思考には及ぶべくもないが、私もまた撮影されたデジタル映像をくりかえし見ることによって思考した。スローガンが幾重にも塗り重ねられ判読不能となった学生会館の壁は、三里塚の大地と同じように歴史が刻み込まれている。灰野によって連打される鍵盤の音と椅子のきしみは、学生のゲバ棒と機動隊の盾がぶつかりあう音に反響する。この世界を肯定するのか、それとも憎悪するのか。
今回、関西初上映となる『Rocks Off』を見ることによって、ただ見ることによってのみ各人各様の思考を紡ぎ出してもらえれば幸いである。

──安井豊作

 

『三里塚 第二砦の人々』

(1971/143分/モノクロ/16mm)

製作:小川プロダクション
監督:小川紳介 助監督:福田克彦、湯本希生
撮影:田村正毅 整音:浅沼幸一

新空港建設に反対する農民運動を記録した三里塚シリーズの第4作。「三里塚反対同盟の人々は、砦の背後に身を隠すのではなく、己の身体を砦に鎖で巻き付け、自ら「砦になること」で、機動隊に対峙した」(シネ砦)。この「砦」の存在が『第二砦の人々』の特異さを決定づけているのは確かだが、そこに農民の悲壮な決意や自己犠牲を読みとるだけではなく、「砦」がどのように撮られているかを見る必要があるだろう。映画監督・小川紳介がとらえようとしているのは、それ自体は画面に映らない”視線”と”権力”をめぐる闘争である。

 

作品紹介:「シネ砦」編集部

 

 

《料金》入れ替え制
一般:1400円 学生:1200円 会員一般:1200円 会員学生:1000円
《割引》当日2本目は200円引き